赤ちゃん返りに振り回されて、怒ってしまうあなたへ

ちょいテク
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「赤ちゃん返り」——子育てに関わっていると、よく耳にする言葉ですよね。
字面だけ見ると「あの可愛かった頃に戻るのかな?」と、ちょっとポジティブに聞こえるかもしれません。

でも現実は… だいたいカオス

上の子の方が手が掛かるなー。

家事がすすまないよー。

わかってるけど、余裕がなくて強く言っちゃう…

だっこ!いま!あかちゃんイヤ!

オギャー!!!(今日も全力で泣く)

赤ちゃん返りで、親が悩まされること(あるある)

私たちが困るのは、だいたいこの4つに集約されます。

  • 上の子が荒れる(癇癪・反抗・退行)
  • 赤ちゃんに危険が出る(叩く・押す・乱暴)
  • 親が回らない(罪悪感/時間がない/疲弊)
  • 夫婦がギスギス(分担不満/片方に負荷集中)

正直、親としては感情的になりますよね。
「なんで…ちゃんとして…」って言ってしまう。
そのあとにくるのが、

なんであんなこと言っちゃったんだろう。
本当は、こんなふうにしたくないのに。

という 自責の念


この記事で伝えたい結論:「満たして整える育児」

今回は、赤ちゃん返りで悩むパパ・ママに向けて、**根拠(エビデンス)**をもとに、家庭でできる“攻略テク”をまとめます。

これを見れば赤ちゃんがえりが解消し、育児がスムーズに!!

ズバリ方法は

満たして整える育児】

  • 満たす:上の子の不安(甘えたい・見てほしい)を満たす
  • 整える:親の関わり方とルールを整えて、荒れにくい流れを作る

(軽く自己紹介)

私たちは **2歳娘(チビねぇ)と0歳息子(チビすけ)**の子育て真っ最中の看護師夫婦です。
育児の工夫やちょっとしたテクニック、休日のことなどを綴っています。

夜勤ありの看護師パパ。体力的にしんどい時もあるけど、子供のためなら頑張れますよね

現在育休中 私たちのプロフィールはこちらから!ぜひご覧ください


そもそも、なぜ赤ちゃん返りをするの?

大前提として、赤ちゃん返りは “異常”ではなく、家族が変わったストレスへの反応として説明されることが多いです。【1】
また、きょうだいが増える移行期(Transition to Siblinghood)では、長子の調整に個人差があり、変化が一時的な子もいれば困り行動が増える子もいる【2】

よくある行動(例)

  • 抱っこ要求・甘えが急増/赤ちゃん言葉/後追い
  • できていたことを「やらない」(着替え、食事、片付け)
  • 夜泣き、寝つき悪化、登園しぶり
  • トイトレ後退(おもらし・オムツに戻りたい)
  • 赤ちゃんへの攻撃/親への反抗・癇癪

先に変わったのは、パパ、ママの方なのに

まだ甘えたい、見てほしいよ

だって…わたしも赤ちゃんだったもん…


「満たして整える育児」って、根性論じゃない

「満たして整える」って、気合いや根性の話ではありません。
実は、子どもの困りごとに向き合う“親の関わり方”には、効果が出やすい共通パターンがあります。

核になる5つの柱

  1. ポジティブな注目(ほめる・関わり増)
  2. 明確な指示(短く・近くで・落ち着いて)
  3. 一貫性(対応をブレさせない)
  4. 注目のコントロール(困り行動への反応を薄く/良い行動は即注目)
  5. 親の感情調整(親が落ち着ける仕組み)

グループ型の親プログラム(親が関わり方を学ぶプログラム)は、子どもの行動問題の改善や、親のストレス軽減に役立つことがCochraneレビューでまとめられています。【3】
そして日本でも、厚労省の資料で「ほめ方」「わかりやすい指示」「注目の外し方」などが段階的に紹介されています。【4】

“気合で耐える”じゃなくて、“うまくいく型”があるんだね


じゃあ具体的に何をすればいい?(満たして整える:8つのテクニック)

ここからは、赤ちゃん返りの場面にそのまま使える形で紹介します。

①【満たす】毎日5分の“特別時間”(上の子主導)

狙い上の子の「奪われた感」「見てほしい」を日課で満たして、悪循環を断つ。

やり方

  • 1日5分だけ、上の子が遊びを決める(親はスマホを置く)
  • 親は「実況+承認+ほめ」を増やし、指示・説教・質問攻めを減らす

厚労省のペアトレでも「スペシャルタイム」は実践項目として扱われています。【4】
また、親子関係の改善と行動問題の低減に有効な介入としてPCIT(親子相互交流療法)の効果はメタ分析で整理されています。【5】

5分でいいんだ…って思うと続けやすい

“ひとりじめ”できた!


②【満たす】退行(赤ちゃんっぽい要求)は“短期的に受け入れる”

狙い不安のサインを悪化させない(叱って潰さない)。

声かけ例

独り占めしたいんだね

先に抱っこするね。そのあと赤ちゃんに戻るね

イヤでもいいよ。叩かないで言葉で言おう

“甘え”と“危険行動”は分けて考える


③【整える】指示は「短く・近くで・落ち着いて」(CCQ)

厚労省の親トレ資料にある **CCQ(Calm/Close/Quiet)**は、癇癪時にブレない“型”として使えます。【6】

例として

(近づいて)ゆっくり息を吸おう

(深呼吸動作を手本する)

手をつなごう

※1文で。長文説教は燃料になりがちです。


④【整える】小さな“良い行動”を即ほめ(ラベリングほめ)

狙い望ましい行動を強化し、困り行動の頻度を下げる。
(親プログラムが重視する基本のひとつです)【3】【4】

  • 「赤ちゃんのそばで手が止まったね」
  • 「小さい声にできたね」
  • 「待てたね」

“できた瞬間”を拾うと、空気が変わるよ


⑤【整える】軽いぐずりは「注目を外す → 落ち着いた瞬間にほめる」

厚労省のガイドでは、好ましくない行動への“注目(反応)”が強化になりうる点や、対応の組み立てが解説されています。【4】

自分で落ち着けたところがよかったよ!

注意:危険(叩く・投げる・飛び出し等)がある場合は、無視せず即介入。


⑥【整える】危険行動は「止める→短いルール→離す」(安全が最優先)

狙い赤ちゃんの安全確保&上の子に境界線を学ばせる。

その場で使える文

手を止めてね。(赤ちゃんは守る。)ここに座って落ち着こう

きょうだい間の衝突は起こりうるものですが、親がルールを整えることの重要性はAAP(米国小児科学会)の一般向け情報でも強調されています。【7】

“叱る”より先に“止める”が正解の場面があるよ


⑦【整える】感情の爆発には「感情コーチング」

狙い嫉妬や怒りを“行動”にせず、言葉で扱えるようにする。

感情コーチング型プログラム(Tuning in to Kids)に関する研究でも、親の関わり方のステップが整理されています。【8】

5ステップ

  1. 早めに気づく(爆発前)
  2. 共感する「嫌なんだよね。」
  3. 気持ちに名前をつける「イヤイヤ虫が出てきたね」
  4. ルールは守る
  5. 落ち着いたら解決策を一緒に考える

“いや!”って言いたかっただけ…

気持ちはOK、ルールを一緒に考えよう


⑧【整える】「上の子なんだから」は封印(差のつけ方に注意)

きょうだい間で親の対応に差があること(Parental Differential Treatment)は、子どもの適応(問題行動など)と関連しうるとしてメタ分析で整理されています。【9】

実装のコツ

  • “公平”は「同じ量」ではなく「必要に合った対応」
  • 上の子の“損した感”が続く場面(抱っこ・寝かしつけ等)は、短時間でも上の子優先の時間を意図的に作る

(+α)夫婦の共同養育(コペアレンティング)を整える

移行期において、共同養育(コペアレンティング)が上の子の適応と関係する可能性を示す研究があります。【10】

具体策

  • 「赤ちゃん担当」「上の子担当」を時間帯で固定(夕方だけでも)
  • 上の子の前で相手を否定しない(不安を増やしやすい)

上の子担当、今日はオレが固定する

パパといっぱい遊ぶぞー!

それだけで救われる日がある


きょうだい準備クラスは万能ではない(期待値の調整)

下の子が生まれる前後に、上の子(これからお兄ちゃん・お姉ちゃんになる子)と親が参加して、新しい赤ちゃんを迎える準備をするクラスのことです。

「きょうだい準備クラス」は短期的な効果が示される一方、長期の効果は限定的/一貫しない可能性が報告されています。【11】
だからこそ、クラスより“家庭の毎日の関わり(特別時間・一貫性)”が効きやすいと書けます。


今日からできるチェックリスト

  • ✅ 上の子“特別時間5分”を毎日固定(上の子主導)【4】
  • ✅ 退行は受け止めつつ、危険行動だけは即止める
  • ✅ 指示は短く・近くで・落ち着いて(CCQ)【6】
  • ✅ 落ち着いた瞬間を“具体的に”ほめる【4】
  • ✅ 嫉妬・怒りは「感情に名前」+「ルール」【8】
  • ✅ 夫婦で「上の子担当」の時間を作る(分担固定)【10】

まとめ

赤ちゃん返りは、子どもが悪いわけでも、親の育て方が失敗したわけでもなく、家族の変化に対する揺れとして起こりうるものです。【1】【2】
だから対策も、「叱ってやめさせる」より **“満たして整える”**が効きます。

  • 満たす:上の子の不安を先に満たす(特別時間、安心の回復)
  • 整える:親の関わり方の型で整える(指示・一貫性・注目・感情調整)【3】【4】

けどいろんなこと抱えながら、必死に育児してると感情的になることってありますよね。そんな自分を否定せず、できるところから少しずつ変わってみませんか。きっと子供もそんな親の姿勢から変わってくれると信じて。

上手くいったよとか効果なかったよとかコメントください


引用・参考文献(本文登場順)

【1】日本語:次子出生による長子の葛藤反応(赤ちゃん返りを含む)
https://u-gakugei.repo.nii.ac.jp/record/31079/files/18804306_64_08.pdf

【2】Volling BL. Family transitions following the birth of a sibling: An empirical review of changes in the firstborn’s adjustment.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22289107/

【3】Cochrane Review: Group parenting programmes for improving child behaviour problems (3–12 years)
https://www.cochrane.org/evidence/CD008225_group-parenting-programmes-improving-behavioural-problems-children-aged-3-12-years

【4】厚生労働省:ペアレント・トレーニング 実践ガイドブック(ほめ方・指示・注目の外し方・スペシャルタイム等)
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000653549.pdf

【5】PCIT(親子相互交流療法)メタ分析(外在化問題行動の低減など)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28860132/

【6】厚生労働省:ペアレント・トレーニング 導入資料(CCQ等)
https://www.mhlw.go.jp/content/12600000/001444295.pdf

【7】AAP/HealthyChildren:Sibling Rivalry(きょうだいげんかの基本)
https://www.healthychildren.org/English/family-life/family-dynamics/Pages/sibling-rivalry.aspx

【8】Tuning in to Kids(感情コーチング)関連研究(オンライン含む)
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10904363/

【9】Parental Differential Treatment(親の差)と子どもの適応:メタ分析
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38439142/

【10】Kolak AM, Volling BL. Coparenting moderates the association between firstborn adjustment and family transition factors.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3698979/

【11】Beyers-Carlson E, Volling BL. Sibling preparation classes and firstborn adjustment(効果が限定的/長期は一貫せず等)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28528809/

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